数学を研究するってどういうこと?

ポチ君が、数学を専攻したら何を研究するんでしょう?
という疑問を持っていたので、簡単に説明したいと思います。
簡単に言えば、問題を解くのです。
問題を解くと言っても、もちろん既に解き方がわかっているような問題を解いても誰も見向きもしてくれませんから、まず問題探しから始まります。
既に存在する問題(誰も解いていないもの)でもいいですし、自分で新たに問題を考えたり、既に有った問題をちょっと変えてみたりして解くわけです。
ここで解くという言い方をしていますが要するに証明をするわけです。
数学の世界では、問題の事を「予想」と言うことが多いです。
なぜ予想というか、というと、問題がだいたい「なんとかは何とかである(だろう)」という形だからです。
で、それが、確かに「なんとかは何とかである」と証明できれば肯定的に解決したと言います。
また時には「何とかは何とかであるわけではない」と証明したり、反例(具体的にその命題にあわない例)を出したりした場合、否定的に解決されたと言います。
過去の有名な予想、問題としては、フェルマー予想とか4色問題とか有りますね。
また、未だに解決されていない有名な問題として「ゴールドバッハ予想」というのが有ります。
 「すべての偶数の合成数は二つの素数の和で表される」
これだけです。
(ちなみに合成数とは二つ以上の素数の積で表される数の事で、偶数の合成数とは要するに4より大きい偶数のことです)
これが証明されていないんです。
コンピュータで計算可能な範囲では成り立っていることが示されていますが、すべてか?と言われると今のところ「さぁ」としか答えられないのです。
この問題を解決すれば世界的に有名になれます。
ただ、たとえばこの問題を解決しようとして研究するのは誰にでもできますが、それはとても大変なことなわけです。
これまで何千人という数学者がよってたかって解決しようとしてできなかった問題ですから、そう簡単にできるわけがありません。
だから、ほとんどの数学者はこういう有名な問題を解くことを夢見て、まず現実的な解けそうな問題からといていくわけです。
数学者のもう一つの夢は新しい理論の構築です。
ただしこれは、世界で数人という本当に一握りの人にのみ可能なことなので、だれでもというわけにはいきませんが当然みんなそれを目指しているわけです。
さて、では、こういう問題を解決することが何のやくに立つのでしょうか?
たとえば、群論という数学の分野があります。
これはエヴァリスト・ガロアというフランスの19世紀の数学者(20歳で死んでしまった)が生み出した分野です。
これは、「5次以上の方程式の一般的解法はあるか」という問題を考える上で生み出された分野なのです。
この群論は現代数学の基礎の一部となっています。
そして、その数学を使う、物理学、つまり量子力学や相対性理論の基礎となり、それが元になって現在の電子工学が成立しています。
極端な事を言えば、ガロアがこの問題を考えなければ今の電子工学は何年か遅れていたかもしれません。
(多分ガロア以外のだれかが少し遅れて生み出していただろうとは思いますが)
でも、実際「5次以上の方程式の解法」なんてどうでもいいはなしじゃないですか。現代ならコンピュータで近似解は即座に出てきます。
数学の問題を考えるというのはそれが良い問題であればあるほど、豊かな理論を生み出し、それによって新たな数学が展開される事になります。
つまり、数学の発展は数十年後の科学技術の発展を支えているのです。
(新しい数学理論が実際役に立つまでには最低でも数年、長いものでは数百年かかることもまれでは有りませんが・・・)
そういう新しい理論を考え出す為日夜問題解決にいそしんでいるのが数学の研究者たちです。
「それが何の役に立つんだ」というセリフはよく研究者、特に基礎研究をやっている人たちに投げつけられるのですが
昔まだ電気というものが使われていなかった頃、ファラデーという物理学者が電気の性質を研究していて、
ある時その研究成果として、電線を巻いた物に電気を通してそれに磁石を近づけて反発するのを一般の方の前で実演したそうです。
そのとき、ある老人がファラデーに対して、「その電気というものがいったい何の役に立つんだね」と聞いたそうです。
そのときファラデーはこう言ったと伝えられています。
「あなたは生まれてきたばかりの赤ん坊に向かって、おまえは一体世の中の何の役に立つんだ と聞きますか
電気という技術は今生まれたばかりなのです。これからどんな風に役に立つかは全く想像もできません。」
ともかく、数学者たちは日々、こういった新しい理論の構築や未解決問題の解決に腐心しているわけです。

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