サイン・コサイン・タンジェント2

今回はタンジェントから入りたいと思います。
さて、車を運転される方、そうじゃない方も含めて、坂道で、6%の勾配とか、3%の勾配とかそういう表現をご覧になったことがあるでしょう。
無い?
そういう方は身近な坂道に行って、標識を探してみましょう。
さて、その勾配の6%とかというのは何を意味しているかご存じでしょうか?
運転免許を持っている方は当然ご存じですよね。  って、もしかして運転免許試験にはそんなものは出ない?
まぁ、それはいいとして、
これは、水平方向に100m進んだとき何メートルあがっているかということを表しています。
つまり勾配6%の坂というのは、水平方向に100mすすむと6m上昇するということです。
6percent.png
こういう坂です。(この図では、100mと比べて、6mが大きく書かれています)
この6%つまり0.06というのがタンジェントの値なのです。
タンジェントというのは、直角三角形の底辺と高さの比のことですから、まさにこの値そのものです。
ちなみに、6%という勾配つまりタンジェントが0.06になる時の角度は、約3.4度です。
手近に分度器が有ったら見てみてほしいのですが、3.4度ってものすごく小さい角に見えませんか?
6%の勾配というのは結構きつい勾配ですよね、それが角度に直すとたった、3.4度ということにちょっとびっくりしませんか?
ほらこんな所にタンジェントの値が使われている。(^^)
ですから、もし45度の坂が有ったとすると(そんな坂は崖にしか見えませんが)勾配は100%となります。
30度の坂はいくらでしょう。
タンジェントをtanと書きますね。
tan 30度 = 0.577、つまり、勾配58%の坂ということになります。
すごい坂であるということがわかってもらえたでしょうか
車の取扱説明書があれば、見てみてください。
最大登坂能力という表記が有ると思います。
要するに最大何度の坂を上れるか?という数値なのですが
これがタンジェントで表されているはずです。
たとえばこれが、0.6とかなっていた場合、tan θ=0.6ですから 30.9度の坂まで上れるということになります。
(θ は シータ と読んで、角度を表すのによく使われるギリシャ文字です)
ちなみに英語のアルファベットに直すとTになります。
コサインというのはどこで使われているでしょう。
普段webなどをご覧になっているとき、JPEG形式の画像がたくさんあるのはご存じでしょう。
JPEGというのは、Joint Photo Encoding Group の略ですが、これはおいといて
このJPEG圧縮というのはおおざっぱにいって、イメージを、いろんな波長の波の合成とみて、どういう波長の波が合成されているかでデータを表現し圧縮する方法です。
その計算の中で、DCTという演算が行われます。
これが、 Discrete Csine Tansform(ディスクリートコサイントランスフォーム)といって、日本語では離散コサイン変換と訳されています。
波とみるから、コサインが出てくるんですね。
ほら、こんなところにもコサインが使われている。
他に、フーリエ変換というのを聞いたことが有るでしょうか?
これは無いかな?
フーリエ変換というのは、ある周期を持った波(正弦波ではないもの)をいろんな周期の正弦波の合成に分解する方法です。
実はこのフーリエ変換を高速に行うアルゴリズム(計算法)にFFT(高速フーリエ変換)というものが存在し、それが皆さんおなじみのMP3の音楽データ圧縮の中で用いられています。
つまり、FFTを行うと、音を周波数成分に分解できて、その成分から、聴覚上聞き取りにくい成分(周波数)を省いてデータを作ることで、元のデータに比べて圧倒的に小さなデータを作り出すことができるのです。
最近の音楽データ編集ソフトの中には、FFTを用いたグラフィックイコライザ機能を搭載したものもあるみたいですね。
音域を512分割とかして、そのそれぞれの音程のボリュームを調整できたりするみたいです。
通常のグラフィックイコライザだともっとおおざっぱな範囲でしか調整できないですが
ということで、波のあるところにサイン、コサインありというのは言えるンじゃないかと思います。

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