サインコサインタンジェント

sinwave.png
さて唐突にグラフが出てきて面食らった方もいるかもしれません。
このグラフは、一般にサインウェーブと呼ばれているものです。
横軸に角度、縦軸にそのときのサイン(sin)の値を取った物を、-720度から720度まで描いた物です。
この絵はいろんなところでご覧になったことが有るんじゃないでしょうか。
さて、このサインは一体どんなところで使われているというのでしょう。
まず、第一に家庭のコンセントが交流であることはご存じだと思います。
交流というのは一定の時間間隔で電流の正と負が切り替わっているものです。
関西では、60Hz、関東では50Hzというのは古い方はご存じでしょう。
最近、この周波数に依存した家電製品がほとんど無くなった為、あまり気にする必要が無くなりましたが、昔の家電製品の一部には、これが違うとおかしな動作をする物なども有りましたから。
そうそう、文章の口調が、である調から、ですます調に変わったことに気付いた方もおられるかもしれません。
テーマが微分積分から、サインコサインに変わったということを表しています。
なんでやねん>自分
特に意味は有りません。
只、ふと書き始めたら、ですます調だったというだけです。
さて、それでは、続きをかいていきます。
話は突然サインウェーブから、家庭のコンセントに飛んでしまいましたが、これには意味があります。
前に、微分の所で発電機の話を書きましたが、変圧器というのをご存じでしょうか。
一番身近には、ACアダプター、ちょっと離れて電柱の上にある、円筒形の物体、もっと離れると、変電所というでっかい施設にあるでっかいもの
要するに電圧を変換するために用いられる物です。
ちなみに、日本の家庭用電源は、100Vとなっていますが、電柱の所までは6600Vで来ていて、電柱の変圧器で100Vにまで落としています。
また、変電所では、元々50万Vか27万5000Vの電圧を、変電所をいくつか経由して6600Vに落としています。
さて、この変圧器という機器は何か?
内部は主に二つのコイルが重なって巻かれているトランスというものです。
このトランスというのは交流の電流が流れると、その巻き数に応じて別の電圧にして出すことができるものです。
そのとき、元の電圧の変化の割合(増加や減少の仕方)に応じて、出てくる電圧が変わります。
つまり、元の電圧が200Vの交流で、出てくる電圧が100Vだとしたします。
(ちなみに交流の場合、100Vといううと、最大電圧が100Vの様な気がしますが、実際は実効電圧を表しているので、最大の電圧は約141Vですが、ここではわかりやすく最大の電圧を100Vとして話を進めます)
瞬間瞬間の電圧を見てみると、元の電圧が+200Vとなったとき、出てくる電圧は0(この瞬間は電圧が変化しないから)元の電圧が0の時、出てくる電圧が100V(電圧が0のところで最も激しく電圧が変化しているから)という風に二つの波が相互にずれた形で流れていく事になります。
さて、このとき元の電圧が電池を入れ替えるように、+200Vから、-200Vに一気に変わったとしたらどうでしょう。
出てくる電圧は、元の電圧が変化しない間は0のままで、切り替わるときに急に変化するので、とんでも無い電圧になって出てきてしまいます。
これでは、とっても不便です。(雷が毎回落ちているようなもの)
そこで、電圧の変化は0Vに最大となって、±200Vの時変化が最も少なくなるように徐々に変化の仕方が変わるようになっている訳です。
では、それにはどういう波が適当でしょうか?
答えから言うと、それがサインウェーブ(正弦波)です。
つまり家庭用のコンセントから出てくる交流電源は、サインウェーブだったのです。
ちなみに、上のトランスの入力と出力を同じ時刻で表示すると、実は出力側がコサインウェーブになっているんです。
これは実は前に書いた、微分しているというのと同じことなのです。
つまり、サインを微分するとコサインになります。
同様にコサインを微分するとサインの反転(プラスマイナスが逆)になりもう一度微分すると、ちょうど180度ずれたコサインになり・・・
と永遠に同じ形がずれた状態で続きます。
これが、電力の供給の際にサインウェーブである理由です。
つまり何度変圧器を通しても、波の形が変わらないというとても優れた特性が有ります。
サインウェーブは至る所で、基準となる波として使われています。
たとえば、時報の音ポ、ポ、ポ、ポーンも正弦波です。
ちなみにポ、ポ、ポの部分が440hz(ピアノの中央のラ) ポーンの部分は880Hz(1オクターブ上のラ)となっています。
他にも音叉(楽器の音程を合わせるために使われるもの)の音
等々、身近な至る所に正弦波はあふれています。
次回は、タンジェントを中心に・・・
また別の観点からサインコサインを見てみたいと思います。

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サインコサインタンジェント への5件のフィードバック

  1. ポチ のコメント:

    こんにちわー、ポチです。
    ご連絡いただきまして、さっそく見に来ました。予想通りというか、なんというか、素晴らしいです。
    でも受ける側が非対応って感じです☆(ちなみにコメントフォームはMac非対応です!泣)
    それでも、おもしろかったので、じっくり読ませていただきました。
    数式は、わたし宛に手書きFAX送ってくれたら、適当な画像ソフトででっち上げてサーバにアプしますYO

  2. アクエリアス のコメント:

    先生、
    以前保険料金の計算には
    サインコサインタンジェントが使われていると
    本保険の人に聞いたことがあるんですが・・・。
    uーm。

  3. mark のコメント:

    >アクエリアスさん
    あのぉ、先生っての、やめてもらえます。(^^;)
    汗かきます。
    保険料の計算はポアソン分布を使った計算をするので、対数関数は絡んできますが、三角関数はあまり絡んでこないんじゃないかな。
    あまり保険料の計算に詳しい訳じゃないのでもしかしたら使われているところが有るかもしれませんが、寡聞にして存じ上げません。

  4. mark のコメント:

    >ポチ
    呼び捨てかい(^^)
    なんかポチというと、呼び捨てしたくなりません?
    「よしよし」って感じで
    ところで、手書きでファックスする方が何倍か邪魔くさいんですけど・・・(^^)
    あれ?このページのコメントって、Macでは書けないんですか?
    どのブラウザですか?
    何が問題なんだろう。

  5. アクエリアス のコメント:

    markさん(先生をとりあえずやめて)
    ポチさん
    私はMacで、コメントを書いています。
    safariを使っていますけど。

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